展覧会アーカイブス 2004

Exhibition Archives

京都の現代美術画廊が集まって画廊地図を作成し、同時期開催の展覧会を共通デザインの案内状で告知するイベント「KYOTO ART MAP」にギャラリーギャラリーも参加することになりました。他の画廊のように日曜日に開けることがビルの管理上難しく、足並みを揃えられないことから、メンバーには入れないと思っていただけに、発案者のギャラリー16井上道子さんにお声がけいただけたことを嬉しく思いました。「KYOTO ART MAP」期間終了後も、地図を片手に画廊巡りをする流れでギャラリーギャラリーに足を運んでくださる方が増えました。
この年、川嶋はイギリスとオーストラリアで開催された2つの海外展に関わりました。イギリスは、2001年に日本のファイバーアーティストを紹介した「Textural Space」展でキュレーターを務めたレスリー・ミラーさんが企画した「Through the surface―表現を通して」展です。これは日英の熟練作家と若手作家が一定期間、互いの国に滞在、交流し、コラボレーション作品を制作、展示するという大掛かりなプロジェクトで、まずは英国作家の受け入れが出来る日本人熟練作家と、英国作家と交流が出来る日本人若手作家を探すことからはじまりました。住環境や言葉の問題などで難航すると思われた本企画でしたが、その不安はおおいに裏切られました。言葉や慣習といった枠を、テキスタイルを通じた交流で超えて行く現実を目の当たりにしたのです。好評を得た本展はイギリス国内を巡回後、京都国立近代美術館でも開催されました。
西オーストラリアのパースでは、テキスタイルの国際会議に合わせて展覧会が開催され、川嶋はコーディネートの手伝いをしました。須藤玲子さんが講演と展示をしました。須藤さんのNUNOたちに人々が興味津々だったことを覚えています。個人的には、オランダから参加したMaria Blaisseさんの講演と作品に興味を持ちました、いつかギャラリーギャラリーで展覧会をしたいと思いましたが叶いませんでした。この時期はまだコンピューター・ウィーヴィングやインクジェット・プリントが勢いを増す前でしたが、すでに会議の場では話題になっていました。
ポーランドのウッチでは11回目の国際タペストリー・トリエンナーレが開催されました。前回まで日本のコミッショナーを務められてきた加藤玖仁子さんから推薦を受け、この回から川嶋はコミッショナーを引き受けることになります。さかのぼる前回、川嶋は審査員を担当しました。その際アメリカやイギリス、オーストラリアの作家たちはコミッショナーの個人的趣味で選ばれてきたように感じられ、コミッショナーによる作家推薦は、逆にコミッショナー自身の目が試されるということを実感しました。その経験からコミッショナーを引き受けたからには、広く情報を集める必要を痛感し、目が行き届かない東京方面の情報は、ワコール銀座アートスペースの辻公子さんにお願いしました。また日本のテキスタイルアートを幅広く紹介したいという想いから、織、染、バスケタリー、ペーパー、空間インスタレーションの5分野5名の作家を推薦しました。翌第12回はコミッショナーと国際審査員と両方を依頼されたのですが、コミッショナーが審査員を務めることに抵抗を感じて辞退し、第1回で国際審査員を務めた京都国立近代美術館の内山武夫館長の名前を挙げました。けれども内山館長の日程調整が難しいということで館長から逆推薦いただき、最終的に両方引き受けることになった川嶋は、コミッショナーとして日本人作家を推薦し、審査員として公平に作品を見ることに努めました。結果、日本の菊池加代子さんが銅賞を受賞した時は、コミッショナーとしてとても嬉しかったことを覚えています。以降はトリエンナーレが公募制になるまでコミッショナーを務めさせていただき、国際審査員の方は、熊井恭子さん、わたなべひろこさん、京都国立近代美術館の池田祐子さんが歴任。公募になってからは香港のCHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)ディレクター高橋瑞木さんが務めています。(川嶋)
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