展覧会アーカイブス 2009

ギャラリーEXが、比較的若い年齢層の作家たちの“実験の場”として使われるようになってきました。設立者の小林正和さんから受け継いだ画廊精神の現れです。
川嶋はノルウェーで開催された「CULTEX展」のコーディネートを担当しました。これは2004年にイギリスで開催された「Through the Surface」展に参加したノルウェー作家アニケン・アムンデンさんが、母国の作家たちとも同じような展覧会を開催したいと同展キュレーターのレスリー・ミラーさんに相談して実現した展覧会です。ノルウェーと日本の熟練作家と若手作家がコンビを組む内容で、アムンデンさんはイギリス展でもペアを組んだ上野真知子さんと組み、他に2名のノルウェー人熟練作家と2名の日本人若手作家がペアを組んで開催されました。2011年に岡山県立美術館に巡回した際には、岡山県立大学に関係する作家たちによる、「織る、編む、広がる テキスタイルの形と色」展が同時開催。終了後に展示写真を掲載した報告カタログが発行されました。
この年、川嶋は、イタリアのコモで毎年開催されているテキスタイルのミニアチュール作品国際公募展の審査依頼を受けて、コモに出かけました。同展はコモでエスプレッソコーヒー等を販売する会社オーナーとパートナーの作家による主催・運営で、審査員の条件は宿泊2泊分のみ、お礼はエスプレッソコーヒーの豆というものでしたが、娘のPaolaさんが駅まで迎えに来てくれて通訳もしてくれるなど親切にしていただきました。イタリア北部に位置するコモは湖が有名な別荘地で、絹スカーフの製造地として知られている街です。審査にはテキスタイルに疎いイタリアの大学教授とスペイン人審査員と川嶋の3人が参加。応募者から送られたスライドを大写しにして点数をつけるというもので、実際のサイズが把握出来ず、素材や大きさ等を逐一聞かないとわからないのが難儀でしたが、数百という点数の中からなんとか上位54点に絞り、展示しました。
2008年と2009年の番外編
京都市立芸術大学2回生がとても面白い展覧会を開催してくれました。通常ギャラリーギャラリーは学生の場合、「4回生以上(短大や専門学校の場合は、最終学年以上)、大学院生」という条件を使用規定にしています。しかし2008年、染織専攻の2回生たちが、大学の文化祭に合わせて画廊を使えないかと聞いてきました。既にこの時期の展覧会は決まっていたので空けることは出来ない旨を伝えると、作品入れ替えの為の休廊4日間がちょうど学祭期間なのでそこを使わせて欲しいと言うのです。内容を聞くと、DAME(ダメ)とローマ字で書いてデイムという架空のファッションブランドを立ち上げ、こんな服はDAMEという服を、画廊空間をブティックに見立てて展示したいというのです。既に学内でファッションショーを行なっており、その映像も流したいと希望。内容が面白く、画期的に感じられたので、学生たちの熱意に絆されて、4日間の使用を許可しました。展示された服は、水溶性の布で制作したレインコート、木材でつくられたぱっと見普通のベスト、ファストフードでもらってきた紙ナプキンで作ったエプロン等、楽しいものばかりです。メンバーは染織以外の彫刻やデザイン、日本画専攻の学生も混じっていて、それぞれの技量を発揮して、とても面白いファッションを提案していました。学生たちの心意気に今でも心がときめきます。このグループは翌2009年にもDAME LABOというコンセプトで、11月の5日間、展示しました。3回生になった彼らは“服”と“芸術”をめぐる化学反応をテーマに服を制作したということで、実験、研究、といった言葉がキーワードになっていました。画廊空間は実験室のように設らわれ、背景と同じ景色を服に描いたカモフラージュつなぎ、ビニールチューブでベストを制作してそこに水と空気を流して生きた金魚が泳いている服、飴で制作したベスト等、面白いものでした。(川嶋)
→ 寿ビル5F展開図へ:第1室(B)、EX(A)、ショーケースギャラリー(E+F)、倉庫(A’)、事務所 (F’)、倉庫(D)



































