展覧会アーカイブス 2009

土岐謙次 漆器展 捨てられないかたち
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作家紹介
- 土岐 謙次
掲載紙
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漆を使った立体造形物で、形態の美を表現する作家。鶏肉やマンゴーが入っていたトレーを石膏(せっこう)で写し取り、仕上げに漆塗りを施した作品など15点前後=写真。簡潔な機能性を持つトレーから、漆を通して普段見逃している「かたち」を見つめ直す。
朝日新聞夕刊 2009年9月9日
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漆芸による文明批評
漆芸という伝統あるジャンルに属しつつ、工芸の枠を超える活動を続けている土岐謙次。鳥の翼や植物の葉を思わせるその造形は、航空機やF1マシンにも通じる工業製品の美を感じさせ、3DCGを活用した造形物や炭素繊維素材に漆を塗布するなど、新領域の開拓にも余念がない。
そんな彼が5年ぶりに京都で個展を開催している。「捨てられないかたち」と題した本展では、スーパーマーケットで見られる食品包装のトレーやパックに注目。脱活乾漆技法でそれらを漆器にしているのだ。
納豆や卵、おでん容器など、選ばれたモチーフは10種類。普段はリサイクルごみとしか思われていない容器が、漆器になった途端高級に見えるのだから皮肉なものだ。これが漆のマジックなのか。いや、それだけではあるまい。われわれは気付かずにいたのだ。もともとトレーやパックに備わっている高度な機能美を。
本展を通して、日常に偏在する美と、それらが無意識に消費されている事実に気付かされた。また、高級な工芸品も本来は日用品であり、その意味ではプラスチック製品と同様ではないかとも。美とは?工芸とは?大量消費社会とは?
さまざまな疑問符が脳裏をよぎる本展は、それだけ優れた文明批評と言える。(小吹隆文・美術ライター)京都新聞 2009年9月12日

展覧会備考
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