展覧会アーカイブス 1992

Ina E. Conradi展
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作家紹介
- イナ E. コンラッディ
掲載紙
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祖国の平和願い織り込む 旧ユーゴ出身の女性造形芸術家
タペストリーと抽象画 きょうから京で作品展
いまなお戦禍に包まれる旧ユーゴスラビア出身の女性造形芸術家が、両親や家族の住む故郷が平和を取り戻すのを祈って、一日から京都市下京区河原町通四条下ル東入ル、寿ビル内のギャラリー・ギャラリーで個展を開く。
国際交流基金の招へい研究員として昨年9月から京都精華大で染糸文化の研究をしているイナ・コンラッディさん(31)=京都市上京区在住=。
イナさんは、ベオグラード大応用美術科を卒業し米国カリフォルニア州立大の教壇に立った経験もある。来日後、京都で伝統文化に触発されながら専門のタペストリー(つづれ織り)作品を創作してきた。
日本へ来て間もなく、母国は混乱状態に。6つの共和国からなる旧ユーゴは分裂。現在も民族間紛争が続き、戦乱の中にある。昨年8月にイナさんを見送った両親も父親がスロベニア、母と双子の姉がベオグラード(セルビア)にと離ればなれになり、日本にいるイナさんを通じてしか連絡が取りあえない、という。
イナさんい両親が別々に伝えてきたメッセージは、ともに「心配しないで。こちらに帰っても仕事はないし、日本でいい仕事を続けて」だった。
そんなイナさんの窮状に、指導教師である潮隆雄・京都精華大教授やイナさんを知る人たちが協力。会場も無償で京都と東京(8月24-29日)の作品展開催が決まった。
展示作品は「ゴールド・アイコン(金の小袖)」と名付けた幅約3メートル、高さ2.2メートルのタペストリー(つづれ織り)2点ほか、ざん新な抽象装飾画8点など。いずれも、京都YMCAの8畳ほどの居室をアトリエに使い、寝る場所もない中で、数ヶ月を費やした労作だ。
「彼女の作品はダイナミックで日本人が逆に教えられる面が多い」と潮教授。イナさんは「京都は戦争もなく平和なところ。子供まで殺し合っている私の祖国の惨状との落差が激しいが、一日も早く平和な状態を取り戻せるように、と祈りながら作った作品を見てほしい」と話す。
作品展は8日まで(日曜は休み)午前11時から午後6時。入場無料。京都新聞 1992年8月1日
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このほか、ユーゴスラビアから京都精華大へ研究員として入洛中のイナ・E・コンラッディが、つづれおりと絵画を発表。激しい動きの原色絵の具が飛びかう新表現主義絵画にも、立体的に空間装置化したつづれ織にも、薄っぺらな流行追従とは無縁の重たい民族性を感じさせる。(F)
京都新聞 1992年8月8日
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イナ・E・コンラッディ展
1992年8/1-8/8 京都・ギャラリーギャラリー
ユーゴスラビア出身のテキスタイル・アーティストによる織とペインティングによる空間構成。織作品は、サイザル麻、金銀糸などを素材に制作された、波打つ形体、うねり伸びる脈、荒々しいテクスチュアをもつ量感あふれる造形で、部分的に施された着彩、金銀糸の輝きが装飾的な表情をのぞかせる。空間に吊るされた荒々しい織造形、壁面に掛かる同じ作者による絵画作品、一見何の連関もない異質の作品が、響き合って一つの空間を形づくった。『染織α』1992年11月号No.140

展覧会備考
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