展覧会アーカイブス 1991

grinded fabric
room1/2






作家紹介
- 田中 千世子
掲載紙
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女のギャラリー
織っているときの田中さんの姿を想像していると、「音」がきこえてくる。それは糸がカラカラとまわって減っていく音かもしれない。糸が垂直に減っていくのはまるで地面に吸い込まれていくようだ。それが水平な一枚の布となって地表に現れる。
私のきいているのは彼女が時間を織っている、音。糸の塊を自然の染料の中につけて、色を染ませる。
青い色がとおっていくと、青い時間が流れ、糸がなくなると時間もなくなる。最後の一本の上に自分がいるようだという。
彼女は自分のいる場所を確認するかのように、織りあがった布を地面にこすりつける。小石のデコボコで穴があく。布の表も裏にも同じ作業をする。その穴はみるためというより、むしろ布がきいた地球の風音のためにあけられたのだと思える。
生産と破壊、システムと無秩序。無意識の横糸と意識の縦糸の接点にある彼女の作品は、穴があけられて最後に表、裏、表、裏、表、裏と並べられる。そこで私たちは時の円環を見ることになるだろう。(室井 絵里)読売新聞夕刊 1991年11月16日

展覧会備考
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