展覧会アーカイブス 1991

”MOON HOUSE”
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作家紹介
- 三橋 遵
掲載紙
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親にもらった生まれつきのみずみずしい感性を、成長してもなお持ち続けることの、いかにむつかしいことか。その数少ない作家の一人に、繊維造形作家の三橋遵がいる。
京都芸大卒業後しばらくはロウケツ染めによる平面パネルに軽やかな感性を発揮していたが、いつしか染め布による立体構成へと展開。最近では繊維だけでなく木、竹、小石、砂までも表現素材に取り入れたかわいい空間装置を相ついで発表、生来の感性をみずみずしく息づかせる。「MOON HOUSE(月の家)」と名づけた今回の二会場にも、カラフルに彩色したサイコロ状の木片や自然の木枝、ピアノ線、色布、色糸などを使って可れんなメルヘン装置を現出させた。緑の細ヒモに宙づりされた色布の家もヤジロベーも、山にかかる三日月も、はかない連結で寄り添い、素材とイメージとの相関関係が快く響いてくる。(F)京都新聞 1991年8月24日
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三橋遵の立体造形も、同じく素材としては、布や紙、竹を使用した表現であり、ファイバーワークの仕事であるが、こちらは単純明快に見える。「Moon House」は、図版のように空間に張られた一本の糸に木や竹で作られた細く小さなものが点々と続き、赤い布による箱が宙吊りになっている。中空にも鋭い線のように緑の竹が浮いている。同じ仕立てのものを、数条交錯するように構成したら、空中都市のようなにぎやかな景観を生みだすことだろうが、それを一条だけで画廊の空間を持たしている。明るい色があるから、素材を離れた別のイメージが見えてくる構成になっている。軽快な感性の遊戯にはちがいないにしても、作者が、繊細な、どこまでも繊細なファイバーの構成に徹して、美しいイメージの造形を提示しているのが楽しいのである。
(吉賀好之)『三彩』1991年10月
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三橋 遵展
1991年8/17-8/30(※会期は8/29まで) 京都・ギャラリーギャラリー
繊維を主素材にしながらも、最近は木片、砂などの異素材を取り入れ、空間構成を試みる。作品を宙に浮かせることが多いが、今回は壁面に一本のグリーンの糸を張り、それを支えに中央にピンクのフェルトの家や、カラフルな木の小片を吊り下げる。家の上には同じく木の三日月が浮かび、しずくのように下がる小片と呼応して静かで幻想的な空間を生み出した。饒舌を排したバランスの巧妙さが作品に緊張感を持たせた。『染織α』1991年12月号No.129

展覧会備考
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