展覧会アーカイブス 1989

grinded fabric
room1/2






作家紹介
- 田中 千世子
掲載紙
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同じように糸を素材にしながら、田中千世子の作品発表は染織に比重を置いた仕事だ。麻と木綿と絹の三種類の糸を植物染料で染めると、材質や位置の違いによって、染まる度合いとレベルが違ってくる。糸の濃淡の差が、つづれ織りの面に色彩の柔らかな諧(かい)調や、縞(しま)文様を生み出す。この人の造形行為のユニークさは、自ら染め織りした渋い味わいの布を、レンガなどでこすって新たな表情を加えたり、地面の相ぼうをフロッタージュする点にある。美しく織り上がった布を傷つける行為とも受けとられかねない手わざだが、織りの組織と色合いを引き立てようとする心ばえが、ちょうど長い年月が布に自然に加えていく風合いやほころびの懐かしさのような趣を息づかせている。(O)
京都新聞 1989年9月23日
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田中千世子展
1989年9/16-9/28 京都・ギャラリーギャラリー
無題の作品がギャラリーの壁面に融合するように懸けてある。いずれも厚味のある綴地だがどこか無機的な表情でおさまっている。それでいて少し温かさが伝わって来る。織った布に土やレンガなどで表面をこすりつけ、織目にその粒子が食い込み、時には裂けめが出来たりする。有機的な布と無機物の土・レンガ、奇妙な調和を生み出す不思議が魅力だ。『染織α』1989年12月号No.105

展覧会備考
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