展覧会アーカイブス 1989

Masakazu Kobayashi
room1/2



作家紹介
- 小林 正和
掲載紙
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タテ糸とヨコ糸の組み合わせで織物は生まれる。ファイバーワーク(繊維造形)という呼称で多彩に展開してきた表現行為にあって、タテ糸とヨコ糸の絡まる織の基本構造からいち早く自由になり、素材の糸とかかわるしなやかな感性を印象づけて来た作家に小林正和がいる。この人の手にかかると、織の素材である糸そのものが持つ繊細さや、かれんさ、強さといった、さまざまな表情が、さりげない巧みさでひき出される。
白い部屋の床面に、えんじ色の漆を塗った“満月”のような円形のオブジェがある。その上に、金パクをはった細く薄い板が弓状にそりかえって乗っている。薄手の板を弓の形に保たせているのは、緑と紫に染め分けた細い2本の糸である。ある種の秘儀性を漂わせる「弓張り月」の構成。漆や金パクの効果も手伝った祭祀(し)的な空間設営をみつめていると、神秘的な気配と緊張感が、ぴんと張られた糸から生み出され、支えられていることに気づく。別室の黒漆の作品とともに、か細く、かれん清れつな一本の糸を生かすことから始まり、一本の糸に収れんしていく構成の糸が冴(さ)える。(O)京都新聞 1989年1月21日
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小林正和展
1989年1/12-1/25(※会期は1/14から) 京都・ギャラリーギャラリー
空間に垂らした糸のたゆみで作品展開してきた小林さんだが、今回は弓状の木に一本の糸を弦のように張った弓シリーズの新作を発表。今までのなめらかな曲線表現から硬質感の漂う直線的な展開となっている。薄く削ったひのきに漆を塗り、湾曲した漆黒の形状を細い糸一本で微妙にバランスを保った作品は、緊張感と異素材との相乗的な効果を生み出している。『染織α』1989年4月号No.97

展覧会備考
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