展覧会アーカイブス 1988

EARLY MORNING
room1/2




作家紹介
- 扇 千花
掲載紙
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扇千花の発表にうかがえるのも、糸や紙といった素材の愛らしいかかわり方だろう。アクリル棒の四角い枠に色糸を巻き付けたり、縦横にからめてつくった色糸格子。それを網がわりにして薄紙を漉(す)くようにまといつかせたり、竹の小枝に薄紙を添わせた小片などで空間を構成している。糸や紙へのささやかな手わざの跡が、可れんと言っていい造形と調和する。(O)
京都新聞 1988年5月28日
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扇千花展
1988年5/23-6/3 京都・ギャラリーギャラリー
開かれた部屋、壁に点々と張り付けられた和紙の繊維が絡み付いた小枝と糸の輪っかに導かれて行く。コーナーに精進揚げのように和紙繊維が絡んだ小枝が積み重ねてある。奥に入る。様々な色糸を張り渡して組んだ矩形のアクリル。同じく和紙繊維がへばり付いている。
閉じられた部屋、対向した壁に張り渡された糸に、多彩な糸のキュービックがいくつか宙吊りになっている。ここでも絡み付いた和紙繊維。『染織α』1988年8月号No.89
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扇さんは、女性らしいそれでいて繊細で優しさのある作品をいつも発表しています。
日常、目にする糸と紙と布を素材にその優しい感性でもって、ある心象風景をいつも大切にされているように思います。第一室は、糸の格子状の立体物に紙をすき、紙の繊維が優しいトーンの糸の回りに絡み付いたものが、白い糸に通されて、浮遊していました。
作品の1つ1つは、そんなに大きくなく10cm立方ぐらいの大きさのものが、等間隔で後ろからの自然光の効果を考えられてつられていました。第二室の奥の壁面には、30cm平米のアクリルのわくに、はりめぐらされた色糸のうえに、紙の繊維が絡み付き、それを1つのパターンにして掛けられていました。手前の壁面には、糸を和(ママ)の状態にして、紙をすいたものと小枝のまわりに紙をすき、からめたもので構成されていました。
そのいずれも、紙と糸あるいは、小枝の優しい無理のない関わりが見え、心を和ませてくれる空間構成の作品展でありました。彼女自身が、ギャラリーの入り口にそえた言葉の『凍結した空気のなかで、心の上等な部分が細かく震えている』というイメージが、ビジュアルに、伝わってくるように思えました。静かな白い空間のなかで、紙と糸とのぎょうぎょうしくないかかわりが、人々の心のなかに、無理なくスーッと入り込んでいくような、どこかホットさせるようなものも好感をさそい、一種の清涼感を味わい誰もが、やさしい気持ちになれるような空間をもたらしてくれたような気がします。ギャラリーギャラリー 川嶋 啓子

展覧会備考
※のちに展覧会タイトルを「noble mind」と改題/room1のみ無人展