展覧会アーカイブス 1988

Dead & Alive
room1/2




作家紹介
- 青野 卓司
掲載紙
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画廊空間を装置化する表現行為が、今週の画廊街にも散見される。
まず青野卓司。黒い絹糸を全面に巻きつけた鉄線が、山なみのりょう線にも似たウェーブの円形をして宙空に揺らぐ。うねうねと曲がる鉄線には、思わせぶりな造形意識はなく、あたかも一筆書きによる空間ドローイングのような自在さだけが浮遊する。一本の木枝を天井から垂らした行為になると、自然が生み出してくれた形のすごさが、一層際立つ。手まりやシメナワをカラフルにペイントして一室を埋めた“はしゃぎ空間”も、鉄線や木枝による“寂境空間”をひき立たせる役目か。(F)京都新聞 1988年2月6日
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青野卓司展 Dead&Alive
1988年2/3-2/12 京都・ギャラリーギャラリー
日常的には用途として身近にあるモノも、布で被ったりペインティングすることで気づかなかったカタチのおもしろさを呈示する。二本のハリガネを黒い綿糸で巻いていくと、ハリガネは自然とねじれ、くねるような線を描く。真白なギャラリー空間に冠状に吊るされた不気味な黒い線は、秘めた素材の硬質感を孕みながら、まるで冷徹な生き物のように果てることのない円運動を展開している。『染織α』1988年4月号No.85
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昨年の暮れから、1月にかけて体調をくずされた青野さんにとって、この時期の作品展は、不本意だったかもしれません。しかし、Dead & Aliveというタイトルのごとく、第2室は、生の空間と死の空間をその経験を通して表された結果だったような気がします。第2室の奥の空間は、いろいろな物のはしくれやオブジェやぐるぐるまきにされた布のボールなどが赤くペイントされ、ところ狭しと並べられています。何かまるで、子供がガラクタを集めてはしゃいでいるかのようです。が、入ったところに吊るされている逆さ吊りの木の枝や、さびたくさり、ドラムカンのはしきれなどが、そのはしゃぎようを静かに見ています。どことなく人間のさみしさやわびしさを感じるような空間でした。赤くペイントされた物が置かれた空間は、いらないと言う人もいましたが、京都新聞社の藤さんがおっしゃったように、あの空間が、あってこそ、あの木やさびた物々の空間に時が、止まったような気配や人生のうら悲しさを強調しているような気がしました。
その、生の空間と死の空間を1つに表したのが第1室に浮遊していた2本の黒く染められた綿糸でコイリングされた針金だったのではないでしょうか。人の目の高さに浮いているしずんだ黒色の針金は、波打ちながら、ゆうゆうと、そしてやはり物悲しげに白い部屋を、上下に分けていました。それは、あたかもDead & Aliveかのように。ギャラリーギャラリー 川嶋 啓子

展覧会備考
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