展覧会アーカイブス 1988

KYOKO KUMAI WORKS
room1/2



作家紹介
- 熊井 恭子
掲載紙
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ファイバーワーク(繊維造形)がにぎやかな昨今。大分市在住の熊井恭子は、糸の代わりに極細のステンレス鋼線を用い、従来の平織を試みる。2会場を埋めた今回の個展でも、銀色に輝くステンレス糸群がタオル状にパイル織りされて草むらの風情を思わせたり、複雑にからみ合って豊かな空間を生み出したり…。織りの構造や素材に対する意識が、規制と拡散の間で微妙に揺らぎ続ける制作の跡だ。(F)
京都新聞 1988年1月23日
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熊井恭子展
1988年1/16-1/29 京都・ギャラリーギャラリー
大分県を拠点に活躍する熊井恭子さんのステンレス・スチール糸を使ったインスタレーション。絡み合ったステンレス・スチール糸の巨大な真綿が、壁面の上部から前方の床へ、うねりながら部屋を埋め尽くして押し寄せる。視点を床近くまで下げて作品を見通すと、表面は鈍く光を跳ね返し、広大な雪渓を湛える氷河カールの底にいるような錯覚を覚えさせる。もう一室では、数十の金属布に植え込まれた無数のステンレス・スチール糸が、普通の繊維にはない可塑性のある性質を利用して、あたかも床から密生しているように設置され、植物的な繊細な表情を見せた。『染織α』1988年3月号No.84
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熊井さんは、ステンレスの糸を使って造形作品を制作している作家です。ステンレスは、従来の糸と違って糸自体が自立することが出来るし、光によっても微妙に変化を見せてくれます。
熊井さんは、そういうところに注目して作品を制作しておられます。
第1室の白い部屋は、ステンレスの糸を毛ばたたせて、あたかも糸が、風をうけてなびいていたのが一瞬、静止したかのようなオブジェを床にならべました。
白い部屋は、自然光の入る部屋なので、照明の効果は、ほとんど日中、期待出来ないのですが、その反面、夕暮れから日が落ちて照明の効果が表れるまでの時間に、ステンレスのオブジェ達は、刻々と変わりながら豊かな表情を見せてくれたように思います。
第2室は、ステンレスの糸をからませてフェルト状になった大きな布を天井から床へたれさげられた作品でした。かなりの重量を持つステンレスの布が、まるで雲のように浮いている部分とそこから滝のように床へ流れ落ち、それが水が溜まるように床にからまり、おかれているインスタレーションは、軽から重への動きを見せてくれたように思いました。
このギャラリーギャラリーの2つの部屋は、まったく異なった性格を持った空間です。
その2つの部屋に同時に一人の作家の作品を展示しようという試みは、作家にとっては、なかなか大変なもののようです。あまりにも、自然光が入り照明の効果が期待出来ない狭くて白い空間と、木の床のぬくもりを持った空間と共々、熊井さん自身、多くの課題を感じとられて作品展を終えられたようでした。ギャラリーギャラリー 川嶋 啓子

展覧会備考
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