展覧会アーカイブス 1987

Indigo Space Series
room1/2



作家紹介
- 新道 弘之
掲載紙
-
藍(あい)染めを続ける新道弘之の作品には、素材と、染め行為と、染料としての藍との3つの関係に、やさしさがただよう。造形上の奇をてらうことはなく、素材の持ち味をできるだけ生かしながら、寄り添わせるように藍を染めて行く。藍はひかえめに扱われることによって、素朴な温か味をいっそうひきたたせる。
直径20センチほどの球形オブジェ50個が床に転がっている。麻や木綿の糸を巻いてつくった同じ大きさの球体。それを藍に浸け染めし、やわらかな藍色の諧(かい)調を生んでいる。白い床と壁の空間に転がる藍色の球体は、北国の湖の毬藻(まりも)を見るときのような神秘的な気配さえ息づかせる。大きな一枚の麻布にウィットのあるフォルムをさり気なく取り入れて四辺を藍染めしたタペストリー状の作品4点もすずやかだ。藍を自ら育て、甕(かめ)のなかで生きている藍の気げんを熟知した、この作家の感性が作品にながれている。(O)京都新聞 1987年7月11日
-
新道弘之展
1987年7/4-7/17 京都・ギャラリーギャラリー
本藍発酵建てにより自然の色を探究し続ける新道さんは、自然のもの以外で作品を制作することはなかった。しかし今回初めて工業製品を取り入れ作品化した。機械生産された画一の合成樹脂のボールに、手毬のように麻糸を巻きつけ藍染めにより各々に独自の表情を与えようという試み。自然にこだわり、社会、人間とは何であったかを問い続ける新道さんの、工業化一途に走る現状に疑問を提起した作品展でもある。『染織α』1987年10月号No.79

展覧会備考
−