経歴
1974 | 吹田市生まれ |
2000 | 大阪芸術大学大学院修了 |
個展 | |
2000 | ギャラリーマロニエ(京都)/ ’01, ’02, ’04, ’06 |
2001 | 千疋屋ギャラリー(東京)/ ’06 |
2002 | GALERIE SOL(東京)/ ’05, ’07 |
2003 | ワコール銀座アートスペース(東京)/ ’05 |
2004 | ギャラリーギャラリー(京都) |
2005 | ギャラリーマルフク(京都) |
2006 | gallery den(大阪) AOAO(京都) |
2007 | ギャラリープランネット(名古屋) |
グループ展 | |
1998 | 第3回昭和シェル石油現代美術賞展(目黒区美術館区民ホール、東京) |
1999 | CHONGJU INTERNATIONAL CRAFT COMPETITION ’99(清州芸 術の殿堂、大韓民国) |
2001 | 三作家新作展(ラ・ガレリアピコロ、大阪) 全関西美術展(大阪市立美術館、大阪)[読売テレビ賞] 比良から新しい風が -part 14(比良美術館、滋賀) 星になった人たちへ(ラ・ガレリアピコロ、大阪) |
2002 | 京都府美術工芸新鋭選抜展 2002新しい波(京都文化博物館、京都) 第12回染・清流展(京都市美術館、京都/目黒区美術館、東京) Works of Sculpture(GUILD GALLERY、大阪) 「MATERIAL」展(シティギャラリー、大阪) 宮ノ前アートプロジェクト(伊丹市立工芸センター/伊丹ホール、兵庫) 第2回北京国際タピスリーアートビエンナーレ展(清華大学美術館、中国)[提名賞] |
2003 | ザ・オマモリ展2003(ギャラリーマロニエ、京都)/ ’02 布VS紙 日韓展 -現代日本染織作家による表現VS現代韓国韓紙作家による表現-(ギャラリーRAKU、京都) 豊中市立市民ギャラリー企画展「大阪芸術大学連携展・染織の尖鋭たち」 02-03 アジア・ファイバー・アート展(清華大学美術館、中国) |
2004 | 第14回染・清流展(京都市美術館、京都) 企画展 染 -四人の仕事 蝋と糊-(ギャラリーあじさい、兵庫) 灯ろう展(ギャラリーマロニエ、京都) |
2005 | CRIA展(京都芸術センター) 新鋭美術選抜展(京都市美術館) 2人展(GALLERY恵風、京都)/ ’07 第6回国際絞り会議 ジョイント展「Fiber As Art-進化するかたち」(千疋屋ギャラリー、東京) ザ・オマモリ展(ギャラリーマロニエ、京都)/ ’07 テキスタイルの未来形(湾岸通ギャラリーCASO、大阪) あやなす(湾岸通ギャラリーCASO、大阪) 染-四人の仕事 蝋と糊-(ギャラリーあじさい、兵庫) ものみもののぐ(ペッパーズロフトギャラリー、東京)KAGAJK SACKとして参加 TEXTILE 05(ジリンカリス美術館、リトアニア) |
2006 | 京都府美術工芸新鋭選抜展(京都文化博物館) アジア・ファイバー・アート(光州市立美術館、韓国) アートコートフロンティア2006(アートコートギャラリー、大阪) 韓・日現代繊維美術展(公益大学現代美術館、韓国) 4th International Fiber Art Biennale (Suzhou)(Suzhou Art & Design Technology Institute Art Gallery) |
2007 | 現代の染展Part-5「未来を拓く」(染・清流館、京都) Japanese Suppleness -contemporary art from Japan-(デンマーク国内を巡回) ACFC「BOX」展(アートコートギャラリー、大阪) JAMIN(エスプリ・ヌーボー、岡山) ミニアチュール神戸展(ギャラリー島田、神戸) 第16回 染・清流展(染・清流館、京都) |
展覧会
「unfixed」
2004年9月25日(土)~10月9日(土)
染色した布は、なんらかの方法により布から染料が流れ落ちないように定着処理を施す必要がある。この作業を怠ったなら、布をひとたび水に潜らせたとたん、みるみる染料は水のなかへと逃れ去ってしまい、今までの努力は水の泡となる。怠ったつもりはさらさらなくとも、過去に私は何度も期待外れに色の抜け落ちた自作との笑いのない対面を余儀無くされた。私の制作の場合、定着とは染め終わった布にアルカリ液を塗り、反応させるために一定時間放置することであり、水洗いをして完成となる。
私の制作は型糊染めから出発した。本来分業化された各工程を、個人の一貫した作品制作のために一揃え大学で学びその後それぞれの工程を自分なりの解釈にて捉え直すことに取り組んだ。例えば型を使用せず、布の上に置いた糊を大きなスケージで引きずることで、糊自体の生理を生かそうとしたり、三巾の25メートルの布を一気に引染めすることで、自分の予測をこえる表情を引き出し、作品に取り込もうと努めた。ところが私は最近まで、定着という工程には私を高揚させる要素はないと思い込んでいた。他の工程のようにその場その場で瞬時に決断をくだす必要はないし、ただアルカリ液を塗り残しのないように努めて、うまく定着してくれと思うだけであった。そこに先入観があった。
今回は、プロ野球の消化試合のような(勝手に思っていただけです。)定着作業に着目して制作に取り組んだ。学生の時にアルカリ液は塗残さないようにと教わったことを逆手にとり、積極的に塗残しができるよう各工程にてお膳立てをした。私の行為の痕跡のなかをアルカリ液は自分のテリトリー拡大のために動きだした。水のなかで染料は流れだし新しい気色があらわれた。
2007年11月3日(土)~17日(土)
私の制作は、伝統産業の型糊染め技法を出発点としている。分業量産のために完成された制作工程を、私個人の一貫制作のために捉え直しながら、独自の表現を試みてきました。本展では、ひろげた布に両手で力一杯防染糊をこすりつけた運動の痕跡を、脱色のテクニックを駆使して、ユーモラスな模様として浮かびあがらせる新作を発表いたします。
加賀城 健 展
2009年6月27日-2009年7月11日