舘 正明/個展 連続と不連続の境界

Masaaki TATE (dyeing)

2020年11月7日(土)ー22日(日)12:00 - 19:00 木曜休み 最終日は、17:00まで

2020年11月7日(土)ー22日(日)12:00 – 19:00 木曜休み 最終日は、17:00まで

 

作家コメント

現在、私は「染める」と「染まる」の間に興味があります。作者が「染める」という行為を行うことは制作において当たり前のことですが、染色には染料が布に「染まる」という現象が加わります。また、蠟染めは蠟という物質を用い、染まらない部分をつくる「防染」を行います。蠟で防染し、染まらないところを作る、それが染めたことを認識させる結果になるという、二律背反が特に気になっています。

人は布に蠟を置き、染料で染める行為を行う。素材の蠟は染料の浸透を防ぎ、染料は布に浸透する現象を見せる。それは蠟染めにおいて当たり前のことである。その当たり前のことだけを作品に出来ないかと考えている。それには素材の持つ特性を十分に利用すること、そのための技法を確立すること、そして作者のエモーションを出来るだけ排除すること、これらが合わさることで私独自の表現が立ち現れ、延いては染色にしか出来ない表現へとつながるのではないか。素材が見せる現象を、私の制作という行為を感じさせず、自然に見せられるか。日本庭園に感じられる自然過ぎる不自然さのように。

「連続と不連続の境界」シリーズは、一度の蠟置きに対し、複数の染色を繰り返している。そのため蠟を置いた形跡も、染色を行った痕跡も、繰り返された行為の中に浮沈している。全てが茫洋とした画面の中に現れる連続と不連続の境界に浸るのである。

これは2018年より制作している「連続と不連続の境界」シリーズについてのコメントです。続いているのか、いないのか、曖昧な境界を喚起させるため、蠟と染料のせめぎ合いをそのまま画面に定着しています。今回は最高に茫洋とした表現とするため、布の構造を利用した色彩の変化も取り入れ、さらなる連続と不連続の境界にずっぷりと浸れるものとなっています。

 

作家略歴(2017年以降)

大阪に生まれる

現在 大阪芸術大学特任准教授、京都精華大学非常勤講師

 

2020 本気のTシャツ展(伊丹市立工芸センター・兵庫)

2019 International Textile Art Exhibition “Scythia”(ウクライナ)

LE FIL BLEU 青の糸展(フランス)

個展 祇をん 小西(京都)

テキスタイルアート・ミニアチュール6百花百触(東京、兵庫)

International Exhibition GIFT WORKS(リトアニア)

Miniature Works -The Kyoto-(Gallery Gallery・京都)

第22回 染・清流展(染・清流館・京都)第13回より毎回出品

個展 ギャラリー猫亀屋(大阪)

2018   テキスタイルアート・ミニアチュール5百花百躍(福岡、韓国)

行為と現象Ⅰ(染・清流館・京都)

2017   第3回金沢・世界工芸トリエンナーレ 金沢世界工芸コンペティション(金沢21世紀美術館)

現代工芸の数奇 2×3人展(染・清流館・京都)

十二人のしつらい展 第22回あやなす展(楽空間 祇をん 小西・京都)

テキスタイルアート・ミニアチュール5百花百躍(ギャラリー5610・東京)

Japanese Fiber Art(リトアニア)