扇 千花/Chika OHGI (paper)

2022年11月26日(土)- 12月11日(日)12:00 – 19:00 ( 最終日は、17時まで)木曜休み

□作家コメント

the last scene, 2022

1981年ギャラリーギャラリーが始まった年、私ははじめての展覧会“scene”を開いた。

その光に満ちた真っ白い空間は、煩雑な繁華街の中にある古いビルの5階に、

ぽっかりと静かに浮かんでいるようだった。

ここで展覧会をすることのよろこびは、現実にありながら現実とは切り離された、

心遊ぶ時空を手に入れることができることである。

そして、新しい作品空間をつくるための実験の場であった。

紙の繊維を水に溶かして混ぜると、混沌とした状態になる。

その底から紙を掬い上げて乾燥し、空間に宙吊りにすると、

ぼやけた紙の輪郭は空気と曖昧模糊に溶け合う。

私の作品は、紙と空気が交錯するような“scene”を空間に出現させることで、

存在の不確かさを表している。

 

□作家略歴

1960 大阪府生まれ

1982 成安女子短期大学研究科修了

1997 京都精華大学大学院美術研究科修了

2001  国際交流基金助成を受け、Sainsbury Centre for Visual Arts, UKでアーティスト イン レジデンス

2006 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程修了 博士(美術)

2014  University for the Creative Arts Farnham, UKでアーティスト イン レジデンス

主な個展

2016 University of Wollongong・オーストラリア

2013 ギャラリー揺・京都

2001、08、21 ギャラリーAmi-Kanoko・大阪

1981、85~88、90~93、95~96、98~00、09、12、17、20、22 ギャラリーギャラリー・京都

主なグループ展

2019  The Splendid Languages of Paper (浙江美術館・杭州・中国)

2015  Kawaii – crafting the Japanese culture of cute, U.K. (イギリス巡回)

2010  13th International Tapestry Triennale(ウッジ・ポーランド)

2009 自宅から美術館へ (和歌山県立近代美術館)

2005 5th International Textile Triennial Exhibition (トゥルネー・ベルギー)

2002 Bulgaria-Japan Contemporary textile art(ソフィア・ブルガリア)

2001 Textual Space (イギリス巡回)

2000 藻の記憶-海の紙をめぐる4人の表現 (リアスアーク美術館・宮城)

1997  シガ・アニュアル’97 -紙・生まれ変わる造形- (滋賀県立近代美術館)

1995 紙の世界 (国立国際美術館・大阪)

1994 light and shadow -Japanese Artists in Space (ノースダコタ美術館・アメリカ)

1992 第15回国際ローザンヌ ビエンナーレ (スイス/オランダ/デンマーク)

主なワークショップ

2014 Bath Spa University・イギリス

2000  横浜美術館・神奈川

出版

ポートフォリオ コレクション4 Chika Ohgi (Telos Art Publishing・イギリス)

パブリックコレクション

リアスアーク美術館・宮城

和歌山県立近代美術館・和歌山