経歴
1964 | 香川県に生まれる |
1990 | 武蔵野美術大学大学院修了 |
1993~ | 岡山県立大学デザイン学部助手 |
主な個展 | |
1988 | ギャラリーNWハウス(東京)/ ’89, ’93 |
1989 | ギャラリーギャラリー(京都)/ ’90, ’93, ’98 |
1995 | AD&Aギャラリー(大阪) |
2001 | 成羽町美術館(岡山) |
主なグループ展 | |
1989 | 第2回国際テキスタイルコンペティション’89 京都 |
1992 | 第15回国際ローザンヌビエンナーレ(スイス、他) |
1993 | KANSAI SUPER MUSEUM「HELLO! RUSSIA」展(東京) |
1995 | 日本・ブラジル修好100周年記念展(サンパウロ) |
1996 | キリン コンテンポラリー・アワード’96(東京、他)優秀賞 |
2002 | Soft Sculpture From The East -Japanese Sense of Beauty-(デンマーク) |
コレクション | |
サンパウロ現代美術館 |
展覧会
1998年10月1日(木)~17日(日)
「遠との共鳴 -GALLERY GALLERY 2004-」
2004年5月17日(月)~30日(日)
布を用いながらも、作品の表層からは、布とは別の何かをイメージできること。そして、それが自分自身の感覚にリアリティを感じさせることができること。これらが私が制作するうえで大切にしていることです。
また、「生命記憶」というキーワードに出会ってからは、私の関心は対象の表面よりも、内包されるもの、あるいはもっと深淵にある神秘的なイメージと、それを受けて存在するかたちの両面へと向けられるようになりました。
母親の子宮は、かつて誰もがそこにいた場所です。しかしながら、胎児であった頃のことを覚えてる人はいませんし、ましてやそれ以前の記憶を思い出せる人もいません。けれども「胎児の世界」の著者である三木成夫氏は、物心ついてから蓄積された記憶のほかに、我々の生命を根底からしっかりと支える「生命記憶」というものが存在するのだと、その著書の中で語っています。
生命記憶とは、数十億年もの太古の昔から、身体をつくる一つ一つの細胞の中に次から次へと取り込まれ、蓄積しながら延々と受け継がれてきたものです。その記憶のおかげで、我々は母親の胎内にいるわずかな時間の固体発生の経過の中で、数十億年も前の生命発生の頃から今日に至るまでの系統発生を繰り返すことができるとも言われています。
作品のとらえ方は人により様々ですが、私は作品を視覚情報だけでとらえるのではなく、身体全体で作品の存在や作品をとりまく空気を感じとり、人の内面にある遠い記憶と向き合うための糸口にしてほしいと考えています。
作品は空間の一部となり、空間もまた作品となる。そしてそこに人が新たな「共鳴の場」をつくりだしたいのです。